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「有効例」「失敗例」に学ぶ納得医療
納得することがなぜ大切なのか、具体例をご覧頂けると分かりやすいと思います。
60代の女性のケースです。
体調が悪く、1年前より大学病院を受診していたがなかなか病名がつかず体調は悪化する一方であった。ある日、首のリンパ節がはれていたので風邪ではないかと思い、定期受診の際に主治医へ報告をした。すると精密検査が始まり、悪性リンパ腫と知らされた。ついに病名が確定したのである。「なぜすぐに病名がわからなかったのか」、「症状がでるまで発見できないとは何事か」、と怒りや不信感がこみ上がったが、これから治療をしてもらう身としてはこの不満を医師には言えなかった。
その後に始まった抗がん剤治療はつらいものだった。
「高齢で身体の小さな女性と、若くて体力のある大柄な男性と同じ薬の量を使っているのではないか?」
副作用はひどいし、医師への不信感と相まって「このまま治療を続けたら、生きて家に帰れないのではないか」との思いであった。それとも「高齢者は死んでほしいと思ってわざとやっているのかもしれない」とまで思うこともあった。
大学病院は、一人一人の患者をみないで定型の治療をしているように思う。人によっては抗がん剤の種類を減らすなどもっと副作用がでないように工夫をして治療して欲しい。これでは病気は治っても、私の身体は死んでしまう。「他の治療法はないのか」と言っても、今の治療が一番効果のある治療法だからと言って答えてくれない。繰り返し訴えたところ「退院してもらって構わない」と言われた。
そして私は病院も西洋医学も信じられなくなり治療を途中で中断した。
50代の男性のケースです。医療コーディネーターが実際に支援した様子を紹介します。
毎年会社の健康診断を受けて問題ないと言われていたにも関わらず、胃の不快感のために近医を受診をしたところ胃がんと診断された。しかも進行性の胃がんで手術は出来ないとのこと。
このような状況であるにも関わらず、当事者である自分にいきなり告知をされたため、患者の気持ちに何の配慮もしない医師に憤りを感じていた。たった一年で手術ができないほど胃がんが進行するなど信じられない、何か治療法など方法があるはずだ、でもどうしたら良いか分からない、ということで医療コーディネーターへ相談。
患者はがんの専門医からセカンドオピニオンを受けたい、最新の治療法について知りたい、そして何か治療があるのであればそれに賭けたい、もし聞けるものなら、 自分に残された本当の時間を知りたい、と訴えた。
そこで始めに、主治医の告知の仕方と発言の背景について話し合った。また、もしも主治医を変えたいのであれば、どのような医師を求めているのか、現実的に転院は可能であるのか、といったことについて話し合った。話し合いの中で彼が医師に望んでいることは次の2つであることが明確に なった。
- 本当のことを話してくれる医師であること
- 最新の治療や代替医療など、試してみたい治療について理解があること
その上でセカンドオピニオン先を検討し、その旨を現在の主治医へ伝え、紹介状や検査結果を用意してもらった。セカンドオピニオン先での意見は、病名・治療内容に関してほぼ主治医と同じものであった。また、現状や余命についても包み隠さず聞いた。それは患者自身が知りたいことではあったが、非常に厳しい内容に落胆していた。今更ながら主治医が余命について言及しなかった意味や、言葉の使い方に患者への思いやりがあったことに気付いたようであった。
セカンドオピニオン後、患者と医療コーディネーターは、これからの治療選びと病院選びをどうするか話し合った。セカンドオピニオン先のがん専門病院からは、かなりがんが進行しているために転院することは無理であると断られていた。また、患者の主治医への不信感はセカンドオピニオンによって払拭されていた。これらを踏まえ、患者が医師に求める2点をもう一度今の主治医にあてはめて考えてみた。結果、患者は今の主治医にこの2つの希望を伝えてみることにした。
その後、患者は主治医と話し合い、自身の思いを伝えることで信頼関係が生まれ、これからの治療法を共に考えていくことが出来る関係となった。そして、今の主治医の元で代替慮法と抗がん剤の併用治療を続けていくという、自身が納得できる治療を受けらることになった、という連絡があった。











